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  • 2015.07.11 Saturday
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イチリットラ〜 ――懐かしいマリつき唄――

 子どもの頃、近所の女の子らが、おもしろい唄を歌いながらマリつきをするのを見ていたものだ。

 今から思うと、当時の女の子たちは、よくあきもせず、来る日も来る日もあんなことを繰り返していたものだ。

 もちろん「楽しくて楽しくて」というところがあったのにちがいない。

 男の子であるわが輩は、マリつきなどやったことはなかった。けれどもいつのまにか自然と唄を覚えて時に口ずさんだりした。

 そうした唄は、不思議なことに、部分的ではあるが、今もなお思い出せる。

 マリつきは、唄に合わせてポンポンポンと片手でリズミカルに地面にゴムボールをついて、ときどき片足をあげてボールを潜らせたり、挙げた足の後ろから手を差し出してボールをついたりする動作を入れる。そして一区切りつくところで、ボールをお尻で受け止めるのだ。(両手でボールを押さえて受け止める。器用といえば器用だが、慣れている子ともにとっては、朝飯前の作業である。)

 第1段階がクリアされると、次に第2段階が始まる。

 唄はだいたい1からはじまって10まで行く。

 たとえば当時定番のようによく使われていたのはこんなふうな唄だった。
   
   1丁目のイ助さん、 イの字がきらいで
   1万1千1兆億の お札(ふだ)をおさめて
   2丁目にあがった


 その次は 「2丁目のニ助さん、二の字がきらいで、2万2千2兆億のお札をおさめて3丁目にあがった」と続く。

 もう一つ記憶に残っている唄はこうだった。
  
    あんたどこの子
    新京 南京
    わたしゃタイの子
    マライの手まり
    ポンと打ってポンと飛んでって 
    日本の桜見に


 この唄に2番以降があったかどうか思い出せない。

 紀州の殿様が出てくる有名な手まり唄、「てんてんてんまりてんてまり、てんてんてまりの手がそれて」
 というのは、当時聞いたことがない。

 もうひとつ、かすか(不明瞭)ながら思い出せる歌がある。

 いちりっとら〜〜ア  らっとりっとせ〜〜  ホウホケキョウの…… 

というところだけ覚えている。

 「ホウホケキョウ」のなんだったっけ? どうしても思い出せない。

 きょうこの記事を書こうと思ったきっかけは、実はこの「いちりっとらア… らっとりっとせ…」

という、まりつきうたを思い出したからだった。

「1リットラー」のあとは、「2りっトラー…」、「3りっトラー…」と続いていく。

 こんな曖昧な記憶でわかるのだろうかと、インターネットで検索すると、案に相違して、けっこう引っかかってきた。

 たとえばこんなサイトにぶつかる。

  《「いちりっとらい」は昔父が教えてくれた曲だ。
   あまりに不思議で意味不明なので、てっきり創作したのかと思っていたが
   伝承唄としてあちこちの地方に残っているらしい
   父の唄はこうだ
   ♪「いちりっとらい とらいとらいとし ちんがらほけきょう で鈴がなる」
   ところが山口のほうだと
   ♪「いちりっとらい らいとらいとせ しんがらほけきょ 梅の花」
   という階段遊びに残っているというし
   東京のあるところでは 
   ♪「いちりっとらいらい らっきょくってしっし しんがらもっちゃきゃっきゃ きゃべつでほい」
   というまりつき唄になるらしい
   「キクとイサム」という今井監督映画のなかでも
   ♪「いちりっとら らっきょくってし しんがらもっちゃきゃ きゃべつでほい」》


 また別のサイトでは…

   《こんな遊び、覚えてますか?
   「♪いちりっとらい、らいとらいとせ 
   しんがらほっけっきょう 夢の国 ♪」
   階段を使った遊びで、
   みんなは階段の一番上に、鬼の子は一番下の段にいて、この歌にあわせて階段を移動し、
   歌が終わったときに、鬼と一緒の段になった人が次の鬼になる、っていうやつ。
   この歌、このあと「にーりっとらい、らいとらいとせ〜」 「さんりっとらい、らいとらいとせ〜」
   と 続いていきます。
   長い間、わたしにとって謎の歌だったんですが、
   もしかしたら、仏教に関係するのかなって最近思うようになりました。
   漢字で書くと
   「一里渡来、来渡、来渡せ、秦から法華経 夢の国」
   ってなりません?
   調べてみたら法華経が本格的に訳されたのは、後秦(中国)の時代だそうです。
   といっても私の勝手な想像ですので、あんまり信用しないように・・・
   ちなみに、これ、職場で聞いてみたけど、
   福岡、大分、熊本の人は誰も聞いたことがないことがわかりました。》


 もともとは「法華経」に関係する唄だったようだ。
 「一里渡来、渡来渡来… 」という原型が浮かんでくるような…

 こうした歌には、案外歴史的な事件などのことを唄ったものが子どもたちの間に流行って残ってきたものがあるようだ。

 たとえば、ごく小さい頃、母親が教えてくれた「せっせっせ」の唄を今なお覚えている。それには西郷隆盛が出てくる。 

   せっせっせ――
   1かけ、2かけ、3かけて、
   4かけて、5かけて、6かけて、
   橋の欄干腰掛けて、
   はるか向こうを眺むれば、

   十七八の姉さんが、
   花と線香(センコ)を手に持って、
   姉さん姉さん、どこ行くの、
   わたしゃ九州鹿児島で、
   お墓参りに参ります(この部分の記憶曖昧、ツジツマあわせに勝手に作ったのかも知れない)

   お墓の前で手を合わせ、
   ナンマイダアブツナンマイダ…》


  (なぜ「6」から「8」(橋)へ飛んだのか昔から疑問だった。)

 記憶の中の歌詞に直接西郷隆盛は出てこないが、インターネットで調べると、これは西郷隆盛が西南戦争で割腹自殺して、その墓に若い娘がお参りするという話で、いろいろ変種があるものの、古いある時代に非常に流行した歌だったことがうかがわれる。



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