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  • 2015.07.11 Saturday
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ジャガースさんの頑固な無口…

 チャールズ・ディケンズ『大いなる遺産』に、法律家のジャガーズさんという人物が出てくる。
 この人物がとても面白い。イギリス(小説)的というのだろうか(?)
  (ジェイン・オースティンの作品にも通じるものがあるような気がする。)  

《「わたしはあの邸内におけるジャガーズさんの、頑とした無口ほどの無口を、彼の場合にすらいままでいちども見たことがない。彼は、自分の手もとばかり見ていて、食事中ほとんどいちどもエステラの顔に目をむけなかった。彼女が彼に話しかけると、彼はじっとそれをきいていて、やがて返事をした。だが、わたしの知ってるかぎり、いちども彼女を見はしなかった。一方、彼女は邪推でないまでも、興味と好奇心をもって、なんども彼を見た。だが、彼はわたしとの会話で、わたしの遺産相続の見込みになんどとなく話をもっていっては、サラ・ポケットをいよいよ青ざめさせ、ますます黄色にさせて、何食わぬ顔をして、よろこんでいた。でも、それにもまた気づいているような様子はすこしも見せず、そればかりか、そうした話を無心なわたしに、むりやりさせたように見せかけさえした。》

 どうしてこのような、ユニークで面白い人物が出てくる(発想される)のだろうか?  そう思うのは、そこに独特のユーモア、真似ることができないようなおもしろさがあると感じるから。

 もちろん、現実社会の観察がその根底にあるのだろう。けれども、それだけではない。 
 作者固有の独特の視点。――笑いの視点とでもいうか……


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