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あなたはまるで一日百二十四時間あるような生き方をしている!(アーノルド・ベネットの名著)
- 2009.03.05 Thursday
- HowTo 知的生活術
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- by jouhouko
「自分の時間」(アーノルド・ベネット著、渡部昇一訳、三笠書房)
原題「How To Live On 24 Hours A Day」(1日24時間でいかに生きるか)
◆あなたはまるで一日百二十四時間あるような生き方をしている!
《あなたは新聞片手に、朝の通勤電車に乗り込む。黙々と、そして悠然と新聞に読みふける。どっしりと落ち着いて読む。これから少なくとも三十分間は、誰にも邪魔されない時間をもてることがわかっているからだ。(中略)そのくつろいだ様子は、時間があり余っている人間のものであり、まるで一日が二十四時間ではなく百四十時間もある、どこか他の惑星の生物のようにみえる。》
まさに私が求めていた言葉が書いてあるという気がした。
さらにその先へと読んでいくと、
《私が気に入らないのは、誰にも邪魔されることのない三十分から四十分といった、かなりまとまった貴重な時間を、新聞を読むのに使ってしまうということだ。》
《あなたも私と同じ時間(二十四時間)だけしか持ち合わせていないのだということを、どうか忘れないでいただきたい。電車の中で新聞を読むのはやめようではないか。あなたと違って、そうしていない私は、すでに四十五分近くの時間を、もっと有意義なことに使うように「とっておいて」いるわけである。》
もちろん、通勤時間に新聞を読むべきかどうか、ということが問題なのではない。
新聞を読んでも、それを自分のライフワークのために役立てているなら、それも価値ある時間の過ごし方になるだろう。
また、この本の著者は新聞を読まないというのではない。新聞は毎日読んでいる。ただ、隙間の時間を利用して読むのである。
この部分で学ぶべきことは、「あるていどまとまった時間を、日常の雑務を片づけることで潰してしまうな」ということだ。
私自身、日々の生活の中で、このまますぎてはいけない、自分にはしなければならないことがある、という思いが常にある。
常にそう思っているにもかかわらず、来る日も来る日も、肝心のことには取りかからないままに、湯水のように一日二十四時間を過ぎ去らせている、そのことに驚かされるのだ。
時間がないわけではない。時間はあるのだ。あっても、つい無為と雑事に流されていくのである。(時間がないというのは、言い訳に過ぎない)
手元に一定の時間があっても、先にちょっと雑事を片づけてからと思って何かをはじめると、知らない間に時間が過ぎ去って、「今日もなにもできなかった」となるのが常である。
次にこの本に出てくる見出しはこうである。
◆この“ゴールデン・タイム”を目先のことだけで費やすな!
“ゴールデン・タイム”――これは仕事を終えて(会社から帰って)、家でくつろぐ夜の時間(のうちの一時間三十分ていど)のことをいっている。
彼は時間を「考えること(あるいは心を耕すことに)に費やせ」という。
けれども、ここではそのことには触れないでおこう。
1日は24時間しかない。それは自分に割り与えられた貴重な財貨である。
ただ、残念なことに、この財貨は蓄えることが出来ない。使っても使わなくても、一定の割合で減っていく。
24時間のうち、ライフワークのために充てられる時間はとても少ない。とても少ないということをまず明確に自覚する必要がある。
我々が1日のうちにできることは、きわめてわずかである、ということを認識すべきである。
そのわずかのことを日々重ねていくことが、何事かに達するための秘訣なのである。
ある程度まとまった時間は、まず何よりも自分がやりたいと思っている作業に割り当てなければならない。日常の雑事に割り当ててはならない。
そういう原則を意識的に作ることである。
作るだけではなく、〈強い心をもって〉実践する必要がある。
◆これはしかし余程の覚悟と決意を要すること
《実際のところ、楽なやり方、王道などといったものは存在しないのだ。メッカへの道は非常に険しいのだ。…二十四時間という与えられた時間の中で、充実した快適な一日を過ごせるように生活を調整する際に心得ておくべき最も重要なことは、そうすることがいかに至難のわざであるか、そのためにいかに多くの犠牲を払い、倦まずたゆまず努力しつづけなければならないかを、冷静に悟ることである。》
◆どうやって飛び込んだらいいのか
なすべき価値のあることをやるまえには気をひきしめてかかることが必要。
では、気を引きしめた後で、
《「さて、いったいどうやって始めればいいのですか?」
あなたはこう尋ねるだろうが、なに、ただ始めさえすればいいのだ。なにもことさら魔法のような始め方があるわけではない。
プールの端に立って冷たい水に飛び込もうとしている人から、
「どうやって飛び込んだらいいのでしょうか」
と尋ねられたら、こう答えるしかないだろう。
「ただ飛び込めばいいのです。気をひきしめて飛び込みなさい」》
どの登場人物も言っていることと思っていることが違う
- 2009.03.04 Wednesday
- HowTo 知的生活術
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- by jouhouko
(「三谷幸喜のありふれた生活423」朝日新聞連載、2009年2月28日)
三谷幸喜さんはこのところずっとテレビのシナリオを書いていて、仕事の合間にDVDで向田邦子さんの作品(「阿修羅のごとく」など)を見ている、という。
仕事に追われる日々の息抜きとか娯楽としてではなく、そこから創作のための何かを盗み出そうという魂胆から、のよう。
◆どの登場人物も、言っていることと思っていることが違う
以下、新聞掲載の三谷幸喜さんの文章から引用。
《「阿修羅のごとく」という連続ドラマは、僕からすれば、神様が書いたシナリオである。どの登場人物も、言っていることと思っていることが違う。僕の理想。なぜなら僕らは普段、そうやって生きているから。言葉と思いは必ずしも一致しないのである。
……向田さんは辛辣なまでに人間の二面性をあぶり出す。一見平穏に見える家族たちが、裏ではかなりどろどろの駆け引きを展開する。》
◆キャラクタを特徴づける行動
《僕レベルの脚本家は、それぞれのキャラクターの個性を表す時に、どうしてもセリフに頼ってしまう。》と三谷さん。《その人がどんな喋り方をするかで、個性を出そうとする。よく喋る人、無口な人、まわりくどい言い回しを好む人、等々。…(略)…向田さんは違う。台詞量はむしろ少ない。その代わり、行動でキャラを表現する。》
ここで三谷さんは、「阿修羅のごとく」のある場面を引き合いに出している。
ちょっと抜けたところのある姉巻子に妹滝子から電話がかかってくる場面。
電話の途中、巻子はそばにいた家族と話しはじめて、妹の電話がかかっていたことを忘れる。かなりの時間が経ってから、夫に言われて彼女は再び電話にもどる。
その間、妹滝子は公衆電話に小銭を継ぎ足しながら待っている。
滝子はあまり人とは交わらない内向的な女性。
《この瞬間だけで、彼女の、何だかジトっとした個性が浮きあがって来る。》
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